抄録
本論文では, ニューラルネットワークとファジィ推論を用いてセールスプロモーション効果を分析するシステムを提案する.まず, ニューラルネットワークがもつ学習機能に着目して, セールスプロモーションと売上数量との関係を店舗内POSデータから直接学習させるという方法により, 消費者の購買行動をモデル化する.次に, 学習済みのニューラルネットワークをセールスプロモーションと購買行動に関する「知識」として用いて, 売上数量と収益性の視点から各種セールスプロモーション効果についてシミュレーションを行う.さらに, 各種セールスプロモーションの売上数量と収益性に対する効果のバランスをファジィ推論することにより, システムのユーザーがセールスプロモーション戦略を策定する時に必要な情報を提供する.最後に, 本システムをインスタントコーヒー市場に適用した結果を示す.