総合生産計画に対する1つの簡便で実用的なアプローチとして生産スイッチングがある.これは, シフト数や労働者数の設定から, 取りうることの可能な生産水準が特定の離散値に限られている生産環境に対して提案されたものである.生産スイッチング規則を効果的に用いるためには, 生産水準選択と目標在庫水準決定を適切に行わなければならないが, 繰返し的なシミュレーションによる探索法が提案されているにとどまっている.そこで本研究では, 最適な生産水準の選択ならびに目標在庫水準の決定を可能ならしめるために, 計画期間中の総生産費用最小化を目的とし, 制約条件の中に生産スイッチング規則を組み込んだ混合整数計画問題を定式化する.また定式化した問題を最適に解くことが困難であることより, 1つのヒューリスティック解法を提案し, 2つの数値計算例から, この解法が比較的良い結果を示すことを明らかにする.

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不良品個数といった計数データを扱う場合にも, 品質特性に関しては計量母集団が想定できる場合も多くある.本研究では, ロット品質特性が正規分布に従う場合に, 選別型抜取検査において計量抜取検査を行なう計量選別型抜取査を新しく提案し, その設計法を明らかにする.さらに, いくつかの数値例に基づき, 提案計量選別型抜取検査を実施することにより, JISZ9006で規定されている選別型抜取検査に比べて, 大幅な平均検査個数の削減が実現されることを示す.

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本論文は, 耐久消費財に対する市場の期待の時間的な質的, 量的変化の法則性について考察するものである.そのためにカラーTV, 冷凍冷蔵庫, 洗濯機の3製品を取り上げ, 昭和52年からほぼ3年ごとの5回にわたって, 各製品を構成する品質向上を期待する項目について期待度を測定する調査を継続して, 実施した.その結果消費者の社会心理的要素に基づく顕著な経年的な要求の拡大現象が存在し, 製品評価構造そのものは比較的安定であるが6年程度以上の長期的時間的スパンでは変化し, これらの変化が新製品の出現の影響を強く受けていることを示した.さらに製品品質評価の潜在的次元と定義される評価因子について, 一貫した期待の上昇傾向に加えて, 相対的な重点が移行するという6年から12年程度のサイクル性が存在することを示唆した.

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m個の構成部品を含む複合品(あるいはシステム部品)において, 構成部品が1つでも不良であれば, その複合品は不良となるものと考えられる.本研究の目的は, 複合品が不良であるときに, その構成部品のうち何個が不良であるか知りうるとき, その情報も活用することにより複合品の計数規準型一回抜取検査方式を設計することである.ロットの合否判定は, 検査した複合品中の複合品の不良個数と構成部品の不良個数の情報を用いて行なう.本研究では, このような計数規準型一回抜取検査方式を決定するために, 複合品の不良個数と構成部品の不良個数の二項-ポアソン複合分布を導出し, これに基づき検査の指標として一般的な生産者危険と消費者危険を保障できる複合品の検査個数n_0,複合品の不合格判定個数r_0,構成部品の不合格判定個数c_0の設定方式を提案し, さらにこれらの判定値を抜取表として与え, 従来の検査方式と検査個数を比較している.

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加工順序が類似した複数の部品を加工するGTラインは, 各部品がライン内を移動する方向によって, 二つのタイプに分類できる.すなわち, 搬出方向を順方向とし搬入方向を逆方向とすると, ライン内のすべての移動が順方向の移動になるGTラインと, 逆方向の移動が存在するGTラインである.当研究では, 前者のGTラインをとくにGTフローラインとよび, その構成方法について考える.最初に, 対象部品のなかから一つのラインを構成しうる負荷量があり, なおかつラインに配置すべき機械数が最小となるような部品ファミリーを求める問題(部品ファミリー構成問題)をとりあげ, それを0-1整数計画問題(P)に定式化する.次いで, (P)の下界値を求める一手順を示したあと, ナップサック問題を解いてそれを強化する方法を示す.そして最後に, (P)の最適解を求めるための分枝限定法を確認し, その有効性を数値実験で検証する.

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本論文では, ニューラルネットワークとファジィ推論を用いてセールスプロモーション効果を分析するシステムを提案する.まず, ニューラルネットワークがもつ学習機能に着目して, セールスプロモーションと売上数量との関係を店舗内POSデータから直接学習させるという方法により, 消費者の購買行動をモデル化する.次に, 学習済みのニューラルネットワークをセールスプロモーションと購買行動に関する「知識」として用いて, 売上数量と収益性の視点から各種セールスプロモーション効果についてシミュレーションを行う.さらに, 各種セールスプロモーションの売上数量と収益性に対する効果のバランスをファジィ推論することにより, システムのユーザーがセールスプロモーション戦略を策定する時に必要な情報を提供する.最後に, 本システムをインスタントコーヒー市場に適用した結果を示す.

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かんばん方式を運用する際には, 不良部品を後工程には送り込まないということが前提と考えられており, かんばん方式に対する従来の研究を行う上でも, 「納入部品中には不良品は存在しない」という前提条件のもとで解析が進められている.本報文では, 納入部品中に不良品が存在した場合, かんばん方式の運用法にどのような影響があるかを調べる.具体的には, 定期引取りかんばん方式における運用総費用を最小とする, 最適引取り周期(R^*), および最適コンテナ容量(u^*)を, 不良品が存在することにより発生する過少在庫費用などを考慮にいれて求めた.その結果, R^*, u^*は, 単位時間, 単位量当りの過少在庫費用が小さくなるにつれて平均在庫量が少なくなるように変化することがわかった.

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