日本経営工学会誌
Online ISSN : 2432-9983
Print ISSN : 0386-4812
かんばん枚数の決定に対する多目標計画法によるモデルアプローチ : JITシステムにおけるかんばん枚数の決定に関する研究(第1報)
洪 性讃福川 忠昭
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 43 巻 2 号 p. 85-92

詳細
抄録
トヨタ生産システムの基本概念であるジャストインタイム生産は, かんばんシステムによって維持されている.実際に, 企業がかんばんシステムを導入, 実施しようとする時, 特に多段階組立工程においてかんばん枚数の決定は, 生産管理担当者にとって非常に重要な問題として現れる.本論文では, かんばん枚数の決定にあたってコストのみの最小化を考えるのではなく, かんばん枚数の決定に影響を与える要因を整理し, それらを考慮したかんばん枚数の決め方について提案する.具体的には, 主要な影響要因である需要量, 工程間の目標在庫水準, 在庫コスト, 労務コスト, 下請け企業の供給能力.作業者の作業時間, 負荷バランスなどを考慮する.そして, 数理計画法の一つである多目標混合整数計画法の問題に定式化する方法を提案する.最後に, 数値例を使ってモデルの解析を行い, 結果に対する考察を行う.
著者関連情報
© 1992 公益社団法人 日本経営工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top