抄録
従来, 定期引き取り形態のかんばん方式について, 数理的な解析がなされてきたが, それらの研究では, 対象とする部品の単位時間当りの使用量は一定であるとの前提条件, およびコンテナ内に収納できる部品の量(コンテナ容量)は決められた所与の値であるとの前提条件に基づいていた.本報文では, 定期引き取り形態のかんばん方式で, 単位時間当りの部品使用量が変化する場合を対象に, コンテナの部品収納数可変の運用法, およびかんばん枚数可変の運用法に対して, かんばん方式運用総費用を最小にするアルゴリズムを示す.また, 具体的な数値例を提案アルゴリズムで解き, コンテナの部品収納数可変の運用法による費用とかんばん枚数可変の運用法による費用の比較を試みた.その結果, 運用総費用の面において, コンテナの部品収納数可変の運用法の方が有効であることが示された.