抄録
本研究では, 二つのタイプの能力切換えに固定切換費用をともなう場合について, 代表的なジョブ・ショップ制御方策の一つである山積型制御方策のタイプを議論するために, 単位時間あたりの正味利得率を最大化する問題を考えている.制御変数としては, 2選択基準c_1,c_2(0≦c_1,c_2<∞)と2管理水準u_1,u_2(0≦u_2≦u_1,u_1≧1)の四つの場合を考えている.最初に, 隠れアプローチによって単位時間あたりの正味利得率の表現を導いている.次に, Tijms(1980)による政策反復法のアルゴリズムを適用することによって最適方策を求めている.最後に, 数値的考察によって最適方策の構造を検討し, 選択基準c_1,c_2の大小関係における性質(単調性)が成立しない場合のあることが示されている.