抄録
生産の設備に対する依存度が高まっている現在では, 生産設備の保全活動を単に設備の状態を維持するための活動であると考えるのではなく, 計画された生産の達成に寄与する活動の1つであると捉えるべきである.しかし実際には, 生産の達成と保全活動との結びつきを定量的に把握することは難しく, 生産の達成を考慮することなく, 保全費用の低減のみが図られていることが多い.本研究では, 生産の達成という問題を, 対象設備に課された仕事を処理するために最低限要求される稼動率(要求稼動率)を確保することとして捉え, 故障の際に完全修理が施される場合について, 生産の達成を考慮した定期予防保全計画を提案する.また, 提案する定期予防保全計画を定式化し, その性質を調べる.