抄録
環境変化に対応するために, スケジューリング・システムにもその柔軟性が一層要請されている.その一環として, 専門家のノウハウに着目したAI的アプローチのシステムが開発されている.しかしそこには, 知識の抽出方法に関して問題がある.また, 知識の具体的な体系化が行われておらず, 知識の修正作業を効率的に行えない状況にある.そこで本研究では, (1)従来に代わる仮説駆動型知識抽出方法の有効性を検証し, (2)得られた知識の体系化を行い.(3)それを基にシステムを開発することを目的とする.知識抽出に当たり, 工程編成の特性からスケジューリング方法の仮説を立案し, それを基に知識の抽出・体系化を行った.その結果, 大枠的手順の中で状況変化に対応すべくルールを基に方針決定を行うという半手順化方式で柔軟にスケジューリングを行うシステムが開発できた.また, その知識の体系化により修正に関する問題の一つの解決方向を示すことができた.