抄録
本研究は, 在庫量変動と発注量変動を制御する定期発注システムに対して, 新しい発注方式を提業し, 従来システムと併せて統一的に考察する.まず, 在庫量のみのフィードバック制御システムとしてF型定期発注システムを構成し, 需要系列の自己相関が強くない場合には, G型定期発注システムと同等の制御が可能であることを示す.一方, 需要予測精度が高い場合には, 需要予測の情報もフィードバックするG型の方が制御性能が優れることを示す.以上より, 需要予測精度が高い場合にはその情報を強くフィードバックする方式が有効と考えられ, これを実現するFK型定期発注システムを提案する.FK型は, γ型, G型, F型をすべて包含しており, 制御パラメータF, Kの空間上に制約を考えることで, これらのシステムを統一的に議論することが可能である.制御性能の面でも, FK型は両分散を小さく制御することができる.