抄録
本研究は,教員研修機関における教員に対する著作権研修の運営に関する現状と課題を明らかにし,そのあり方を考察することを目的に,全国の都道府県,政令指定都市,中核市の教員研修機関の研修担当者を対象にアンケート調査を行った.その結果,教員の著作権知識の格差を解消することができるような研修を行うことが課題となっていること,研修担当者は,教員に対する著作権研修の必要性を明確に認識していること,著作権に関する知識を多く持つ教員ほど著作権遵守の意識は高いが,それが著作権侵害行動の防止に必ずしも結びついていないと認識していることが明らかになった.この結果を受けて研修の改善策として 5 点を提示するとともに,研修担当者の認識の改善の必要性を指摘した.