抄録
営農型発電システムは、農地の上空に設置した太陽光発電設備で発電し、地上では農作物を生産するハイブリッドな農業システムである。発電した電気を売ることで売電収入が得られ、農家所得の向上が期待できる。また、このシステムを利用することで夏季の過剰な日射を遮ることにより栽培環境の改善が期待できる。一方で、農地保全のためには適正な営農の継続が必要であり、食料生産とエネルギー生産を両立する栽培管理技術が必要となる。本報では、営農型発電設備の設置が設備下で栽培した作物の収量と栽培環境へ及ぼす影響を調査した結果と営農型発電の可能性について論じる。