地域生活学研究
Online ISSN : 2432-1133
Print ISSN : 2186-9022
ISSN-L : 2186-9022
長崎恐竜博物館(仮称)の建設におけるランドスケープ計画の重要性
赤山 紗也果深見 聡 五島 聖子
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2019 年 10 巻 p. 1-12

詳細
抄録

本研究は、2021年に長崎市野母崎エリアに開館予定の長崎恐竜博物館(仮称)を地域の観光振興に寄与する事業と位置づけ、ランドスケープ計画の重要性の視点から、当該事業の展開可能性について論じた。具体的には、長崎市恐竜博物館準備室へのヒアリング調査や野母崎エリアを訪れる観光客や地元住民を対象としたアンケート調査と、自由な発話の収集による聞き取り調査を実施し、長崎市の本事業に対する位置付けおよびランドスケープ計画の策定状況に加え、野母崎エリアを訪れる観光客の目的や地元住民が長崎恐竜博物館に対して抱いている意識を把握した上で、長崎恐竜博物館の設置が地域の活気の維持や活性化を図る際にどのような利点や課題を抱えているのかの考察を加えた。その結果、地元住民および長崎市は野母崎エリアを観光で振興していくための具体的なビジョンの提示に至っておらず、地元住民と長崎恐竜博物館の設置者側との連携によるランドスケープ計画の策定への動きもみられないことが課題として指摘された。

著者関連情報
次の記事
feedback
Top