抄録
IR 人材に求められる力量を表したものとして、米国に限らず、わが国においてもテレンジーニが提示した「3 つの知性」が度々利用される。本稿では、その内容を概説した上で、①2013 年に出された改訂版の3 つの知性を検討し、②わが国のIR の文脈において、どのように解釈することができるのかを考察した。結論として、わが国の文脈では、3 つの知性は、個人
ではなく、もともとの前提とされた組織的な知性として捉えること、そして3 つの知性を階層的に捉えるのではなく、バランスの関係として捉えることの必要性を指摘した。