日本食生活学会誌
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論文
特別養護老人ホーム入居高齢者におけるチーズ摂取による骨代謝への影響の検討
爲房 恭子喜多村 愛戎 恵里佳島 千尋中山 正夫佐々木 和教
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2013 年 24 巻 1 号 p. 28-34

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抄録
  老人施設入居者23名を対象にチーズ摂取が骨代謝に与える影響を検討することを本研究の目的とした。居住フロア別にA組 (n=11), B組 (n=12) とし, クロスオーバー試験とした。試験食はチーズ付加食 (+Ca200mg/日), 対照食は給食+Ca剤 (同量) である。各々4週間 (4w) 摂取し, その後通常食事摂取期間を4w設けた。各期間初日に骨密度 (OSI値), 骨代謝マーカー測定を行った。2組の試験食摂取期間を合わせて試験食群, 対照食摂取期間を合わせて対照食群とし, 摂取期間前後の変化率を比較検討した。また, 年齢, BMI, 介護度, 血清VD濃度で群別し, 同様の検討を行った。摂取期間前後および通常食事摂取期間を含めた摂取期間前後のOSI値, BAPの変化率は両群に差はないが, NTxの変化率は, 有意な低下が示された。また, 85歳未満, BMI高値, 介護度4未満および血清VD濃度37. 5pg/dL以上のグループでNTxは試験食群が対照食群に比べて有意に低下した。これらからチーズ摂取が骨代謝へ何らかの影響が推察された。
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© 2013 日本食生活学会
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