抄録
京都府立K高等学校の2, 3年生188名を対象に, 総エネルギー摂取量の大きさによるエネルギー比率・栄養素・食品群別摂取量を検討した。男女別で総エネルギー摂取量が中央値より少ない群をA群, 多い群をB群として2群間を比較した。
B群では, 脂肪への寄与率が高い食品は肉・肉加工品類, 菓子類, 男子では牛乳摂取量が特に多く, 男女ともにB群でF比が有意に高い傾向がみられた。また男女のB群ではマヨネーズ・ドレッシングの, 男子のB群では揚げ物の摂取頻度が高かった。女子ではカルシウム, マグネシウム, 鉄, ビタミンCが, B群でもEAR以上の者が20~30%程度と少なく, 緑黄色野菜, 果実類, いも類, 乳類の摂取量が, AB群ともに少なかったためと考えられる。
以上より, 総エネルギー摂取量別の栄養摂取状況をみると, 男子では総エネルギー摂取量が少ない者で, 女子では摂取量に関わらず全体で, ビタミン類, ミネラル類が不足気味であった。脂肪含有量が少ない緑黄色野菜, いも類, 果実類などを, 油脂を控えた調理法, 調味法で調理したものを摂取する必要があると考えられる。