2017 年 28 巻 2 号 p. 97-107
本研究では,高校生に実施した食物摂取頻度調査の結果から,エネルギーおよび栄養素摂取がどの食品群に由来しているかを重回帰分析により検討した。
1)エネルギーは菓子類と米類(めし)の影響が大きかった。
2)三大栄養素は,たんぱく質では男子が肉類,女子が魚介類,脂質は男女とも肉類,炭水化物は男女とも米類(めし)や菓子類の影響が大きかった。
3)ミネラルは,男女ともカルシウムでは牛乳,マグネシウムではその他の嗜好飲料,鉄では菓子類,亜鉛では肉類の影響が大きかった。
4)ビタミンは,男女ともビタミンAでは緑黄色野菜,ビタミンB1では肉類,ビタミンB2では牛乳,葉酸では緑黄色野菜,ビタミンCでは果実類の影響が大きく,ビタミンB6では男子が肉類,女子が魚介類の影響が大きかった。
5)食物繊維総量では男子が菓子類,女子はその他の野菜,食塩相当量では男女とも調味料・香辛料類の影響が最も大きかった。
脂肪エネルギー比率の改善,不足者の多いミネラルやビタミン摂取量の改善,食物繊維総量の摂取増加を目指すためには,米類,豆類,緑黄色野菜,その他の野菜,魚介類,卵類,果実類の摂取を促すべきだと考えられる。