食生活総合研究会誌
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会津地方の伝統食品に関する研究 (第1報)
鰊の山椒漬けの製造実態およびナトリウム, カリウム含量と微生物汚染について
角野 猛会田 久仁子星 タネ湯田 悦子馬場 又平諸岡 信久山田 幸二
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1992 年 3 巻 2 号 p. 45-48

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抄録

福島県会津地方の伝統食品である鰊の山椒漬けについて製造実態, ナトリウム, カリウム含量および微生物汚染を調査し次の知見を得た.
1) 調査対象の主婦47人の家庭では23家庭 (48.9%) が, 毎年又は2-3年に一度, 鰊の山椒漬けを製造していた.
2) 鰊の山椒漬けの調味料の主なものは醤油, 酒, 味醂および酢で, 主にポリプロピレン製の漬物桶で, 台所および冷蔵庫等で2日-7日漬け込むものであった.
3) 鰊漬けのNa, K, Na/K比, 塩化ナトリウム濃度, 一般生菌数は平均それぞれ927mg/100g, 282mg/100g, 3.5, 2.3%および5.0264 (log/g) であった.
4) 以上のことから鰊の山椒漬けは, 会津地方では作成頻度の高い伝統食品であり, Na, K含量および塩化ナトリウム濃度からみると, 理想に近い漬物と考えられる.

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