日本食生活学会誌
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ブロッコリー, カリフラワーのクロロヒィル, カロテノイド色素の系統問差異
渡辺 慶一廣田 才之高橋 文次郎
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1998 年 9 巻 3 号 p. 42-47

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抄録
ブロッコリー及びカリフラワーの花蕾の色調が異なる5品種を供試し, クロロフィル, カロテノイド組成を薄層クロマトグラフィー (TLC) 及び高速液体クロマトグラフィー(HPLC) により測定した結果, クロロフィル, カロテノイドの含量には相異があり, 以下のような結果を得た.
(1) 緑色系ブロッコリー'グリーンコメット'の花蕾では主要な色素としてクロロフィルα1890μg/g, クロロフィルb1070μg/gを含有していた.カロテノイドはβ-カロテンを24.1μg/g, キサントフィル類を65.2μg/g程度含有していた.また, 淡緑色系のカリフラワー`サンゴショウ'の花蕾ではクロロフィルα400μg/g, クロロフィルb130μg/gを含有していた. カロテノイドはβ-カロテンを6.6μg/g, キサントフィル類24.6μg/g含有していた.
(2) 紫色系カリフラワー'バイオレットクィーン'の花蕾ではクロロフィルα580μg/g, クロロフィルbは240μg/g含有していた. カロテノイドはβ-カロテンを3, 9μg/g, キサントフィル類21.4μg/g程度含有していた, また, アントシアニンが検出された.
(3) クロロフィルがほとんどない淡黄色系カリフラワー`オレンジブーケ'及び白色系カリフラワー'スノウドレス'の花蕾ではカロテノイド含量は非常に少なかった.
(4) キサントフィル類はネアキサンチン, ビオラキサンチン, ルテインエポキシド, ゼアキサンチンおよびルテインと推定された.
(5) ブロッコリー花蕾のβ-カロテン異性体は13+15-cis-β-カロテンより9-cis-β-カロテンの割合が多い傾向がみられた.
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