抄録
2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え,今後10年間での外国人観光客の増加が見込まれている.このような背景から,外国人にも利用しやすい観光情報の検索システムが望まれているが,言語の壁が課題となっている.言語の壁を解消するためには,システムの多言語化が一般的である.しかしながら,多言語化によって十分な数の言語を網羅することは難しく,真の意味で言語の壁を解消できない.そこで本稿では,一切の言語を用いずに観光情報を提供する検索システムを開発する.その特徴は,画像やピクトグラム,アラビア数字のみで検索インターフェイスを構成している点である.そして,被験者による評価実験によって,言語を用いずとも観光スポットの検索が可能なことを実証する.