抄録
本研究の目的は,我が国の学生を対象としてICT機器の使用開始年齢と学校内外での使用頻度がICTに関する動機づけ(興味と有能感,自律性,関係性)に及ぼす影響と性差を検討することであった.本研究では,PISA2018のデータセット( N = 6109 )を用いて分析を行った.その結果,次の3点が明らかとなった.(1)ICT機器の使用年齢が早いこと,および学校外で余暇目的にICT機器を使用することは,本研究におけるICTに関する動機づけを高める.特に,学校外で余暇目的にICT機器を使用することの影響が大きい.(2)学校外で学習目的にICT機器を使用することは,関係性のみを高める.(3)ICT機器の使用頻度とICTに関する動機づけには性差が存在する.