抄録
昨今,メタバースを活用した授業に接する機会が増えてきた.本稿では,不登校の児童生徒を対象とした授業と,教員養成を目的とした授業の報告を行った.不登校児童生徒に対するメタバースを活用した実践からは,操作に関して難しいと感じた児童生徒はおらず,不登校の児童生徒へも人との関わりやつながりを促す可能性が指摘された.小学校の授業を参観する教員養成の学生を対象とした実践からは,①教育に対する世界感の広がり,②空間を共有できることの有用性,③将来的可能性,④技術の進歩性,⑤教育格差の是正,⑥習熟度別学習への活用が指摘された.このことから,メタバースの教育への幅広い活用の可能性が見いだされた.