2019 年 30 巻 2 号 p. 39-51
旅行形態の多様化に伴い、観光まちづくりにおける関連組織間の連携が重要になっている。本研究では、熱海市を事例として、連携促進策による観光まちづくり組織の連携状況の変化、連携による効果や課題を分析した。分析の結果、連携は、市の主催する観光戦略会議や地域資源の掘り起こし活動を通じて開始され、ニューツーリズムを担う団体への活動支援や観光プロモーション事業を通じて広がり、観光客誘致に効果を上げていること、既存組織の保守的態度や、観光とまちづくりのバランスをとる難しさが、連携推進上の課題であることが判明した。