2021 年 33 巻 3 号 p. 125-133
本研究は,鎌倉市を事例に,中国人観光者の観光行動と行政による観光推奨ルートを比較し,共通点と相違点からそれぞれの特徴を把握した。中国人観光者の観光行動は旅行口コミサイトの旅行記をもとに,聖地訪問者は「鎌倉高校前」に集中すると同時に,海側へ偏る傾向が示された。非聖地訪問者は山側と海側の両方を観光している傾向が示された。鎌倉市行政推奨ルートは公式モデルコースとパンフレットをもとに,山側へ偏る傾向があることと,山側と海側の観光資源を別々に取り扱っていることが確認できた。山側と海側を結ぶ観光ルートの新設が,鎌倉市の地理的な特徴を活かしつつ,聖地訪問者による集中の回避策として期待される。