2024 年 35 巻 2 号 p. 5-16
ガーデンツーリズム政策の補強を議論する上で、庭園都市として知られる城下町松代の伝統的な環境価値が注目に値する。一方、松代の伝統的な環境を調査した先行研究では、庭園から眺めることができる象山との借景関係について、ガーデンツーリズムに関連する論点に該当するが十分に議論されていない。そこで、本研究は、松代城下町から象山に向けられた視線を評価し、その結果から、庭園から象山が見られるようになった伝統的要因を明らかにすることを目的とした。庭園都市松代の伝統的な環境価値を踏まえ、本研究はガーデンツーリズム政策の課題に貢献しうる改善案を示した。