2024 年 36 巻 1 号 p. 47-56
米国自然保護区における自然のレクリエーション利用の管理手法と、近年起こっている転換についてザイオン国立公園の事例から明らかにした。米国の自然保護区ではMBO型管理手順を用いた利用管理が行われてきた。しかし、ザイオン国立公園では増加し続ける利用に公園内部で対処しきれず、公園内の利用制限、周辺地域への利用拡大、周辺地域との共同管理、という新たな管理の転換が起こっていた。本事例は、「利用管理施策の諸問題」に対する「広域的な管理の視点への転換」という解決法の知見を示しており、レクリエーション利用を行う自然保護区におけるオーバーツーリズム問題に一つの道標を与えるものと考える。