2024 年 36 巻 3 号 p. 66-75
本稿はヘリテージ空間におけるサイクル・ツーリズムについて、観光政策、特に規律権力の視点から考察している。規律権力とは、構造的要因によって個々人の行為を規制する不可視の権力を意味する。事例として取り上げたイギリスのコーンウォール鉱山地域にあるレドルス&チェイスウォーター鉄道トレイルは、コーンウォール・カウンシルが実施するミネラル・トラムウェイズ・ヘリテージ・プロジェクトの一環に位置づけられる。サストランズや世界遺産委員会の知がトレイル用に区分された小道と組み合わさり、観光者の行為を規制していく構造について、同トレイルを介しながら主に理論面から解明していった。