生活大学研究
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農村セットルメント運動の展開
自由学園・全国友の会・婦人之友一体となって
遠藤 邦子
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2021 年 6 巻 1 号 p. 129-142

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抄録

本稿は、自由学園が「婦人之友」「全国友の会」と一体となって行った社会活動のうち、農村への運動について述べる。この運動は、自由学園南沢キャンパスの地元・当時は純農村であった東京府下久留米村での「自由学園農村セットルメント」に始まり、昭和恐慌以降、「全国友の会」が中心となって『婦人之友』と共催した「東北農村生活合理化運動」「東北セットルメント」に展開し、戦後の「農村文化運動」へと継続した。自由学園・全国友の会・婦人之友社の3団体は、同じ創立者羽仁もと子・吉一夫妻のもとに新しい社会建設の理想を共有し、教育機関、社会活動団体、出版社とそれぞれの特質を活かして、共にこの運動に携わった。特に農村への運動と災害救援の分野では一体となって活動した歴史がある。学園では戦前期には主として女子部卒業生、戦中から戦後は主として女子部最高学年の生徒・学生が携わり、まさに「学校から社会へ」働きかける、大きな経験となった。ここでは、当時用いた「セットルメント」の表記を用いる。なお、本稿は2021年刊行予定の自由学園100年史(書籍版)第III部第3章の詳細版としての位置づけを持っている。

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