生活大学研究
Online ISSN : 2189-6933
ISSN-L : 2189-6933
最新号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
原著論文
  • 縄文時代中期 自由学園南遺跡を事例として
    奈良 忠寿
    2025 年10 巻1 号 p. 1-14
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/26
    ジャーナル フリー
    自由学園南遺跡と周辺の同時代集落遺跡の関係性を紐解くことを目的とし,縄文時代中期勝坂式期から加曽利E式期にかけての竪穴住居跡の構造や建て直し・改築の有無や回数といった特徴に注目し,土器型式の時間幅を加味した上で特徴を遺跡間で比較した.その結果,竪穴住居の使用期間の長短や反復利用度・回数に差異があり,時期的な変化が読み取れた.しかし移動と反復利用が多い時期の,竪穴住居跡の遺跡間の比較からは具体的な人の動きを示す痕跡までは読み取ることができなかった.
  • 竹島 響
    2025 年10 巻1 号 p. 15-42
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/26
    ジャーナル フリー
    本研究は、自由学園において創立当初から生徒自身の生活の記録としてつけられていた「生活表」及び「生活帳」について、太平洋戦争中までの変遷や記録としての性質を解明することを目的としたものである。記録としての性質の解明に際しては、「生活表・生活帳は、個人の生活の記録でありながら、単なる日記帳のような私的な記録とは異なり、記録した内容自体ではなく、団体生活の経営のためにフォーマットがあること自体に価値があった記録である」という仮説を立て、それを検証することを目指した。 現存する資料から確認できる範囲での調査の結果、1922年度から1931年度まで改良が重ねられ ながら生活表が使用され、1932年度から生活帳へ移行したことが分かった。また、戦時下の勤労奉仕・勤労動員による従来とは異なる生活の中でも、記録の形態に様々な変化がありながら、生活表・生活帳はつけられ続けていた。 生活表・生活帳のフォーマットの変遷を経て、生徒は自身の生活を「監督」する力と意欲が身に着き、生活を記録し、記録から生活を監督するという循環も習慣化されていった。くわえて、勤労奉仕・勤労動員の中で環境に応じてフォーマットが様々に変えられていたことを踏まえ、「生活表・生活帳は、団体生活の経営のためにフォーマットがあること自体が要であるが、それを前提として、団体が置かれた環境に応じてフォーマットを柔軟に設定できることに価値があった記録である」と結論付けた。 なお、本論文は2024 年度自由学園最高学部の卒業論文を改訂したものである。
  • 国語科における創発カリキュラムの授業実践を対象として
    高野 慎太郎, 大石 健斗
    2025 年10 巻1 号 p. 43-64
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/26
    ジャーナル フリー
    本研究は、創発カリキュラムによって生じた授業を対象として、学習者と授業者における学習体験の実態を分析することを第一の目的としている。そして、そこで分析された知見を用いて、創発カリキュラムの前提として議論されてきた教師の中動的なあり方に考察を加えることを第二の目的としている。この目的に迫るため、本研究では具体的に授業実践を取り上げ、テキストマイニングと半構造化インタビューの手法で学習体験の分析を行った。分析からは学習者と授業者における感情や思考を含む学習体験の実態が明らかになった。その知見を用いて教師の中動的なあり方について考察し、「学習者の問いかけに応えることによって教育実践を紡いでいく応答的な教育観であり、その過程で生じる相互の自己変容の可能性へと開かれた教育観」として析出することができた。
資料
  • 吉川 慎平, 小田 幸子
    2025 年10 巻1 号 p. 65-73
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/26
    ジャーナル フリー
    自由学園(以下,本学)の環境に関わる学びを支援する環境文化創造センターでは,2019年度に全校の教育・研究・マネジメントに供することを目的に,既設の気象観測機器を全面更新する形で本学南沢キャンパス(東京都東久留米市)の最高学部(大学部)エリアに,高精度の気象観測システムを導入し,「自由学園水文・気象観測システム(以下,本システム)」として2020年1月1日から運用している.観測項目は気温,相対湿度,降水量,風向,風速,気圧,日射量(2020年7月1日から)の7要素で,各センサーからの信号を10分毎に自動集計記録し,データはインターネットを介してクラウドサーバーへ送信され,随時閲覧・利用を可能な状態としている.また屋上露場の補完地点として,同キャンパス内に地上露場を設置し,2021年1月1日から運用している.なお,気象業務法第6 条・9条に基づき,参考値を除き本システムで用いているセンサーは「気象庁検定」を受けており,所管の東京管区気象台(気象庁)に「自由学園南沢キャンパス屋上露場」,「自由学園南沢キャンパス地上露場」としてそれぞれ設置届出を行っている.本稿は,学内外の教育・研究用途に供することを目的に,2022(令和4)年の「年報(No. 3)」として,2022年1月1日から12月31日まで365日間の屋上露場7要素,地上露場8要素(参考値)の観測結果概要,並びに観測の方法等について取りまとめたものである.
  • 吉川 慎平, 小田 幸子
    2025 年10 巻1 号 p. 74-82
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/26
    ジャーナル フリー
    自由学園(以下,本学)の環境に関わる学びを支援する環境文化創造センターでは,2019年度に全校の教育・研究・マネジメントに供することを目的に,既設の気象観測機器を全面更新する形で本学南沢キャンパス(東京都東久留米市)の最高学部(大学部)エリアに,高精度の気象観測システムを導入し,「自由学園水文・気象観測システム(以下,本システム)」として2020年1月1日から運用している.観測項目は気温,相対湿度,降水量,風向,風速,気圧,日射量(2020年7月1日から)の7要素で,各センサーからの信号を10分毎に自動集計記録し,データはインターネットを介してクラウドサーバーへ送信され,随時閲覧・利用を可能な状態としている.また屋上露場の補完地点として,同キャンパス内に地上露場を設置し,2023年1月1日から運用している.なお,気象業務法第6 条・9条に基づき,参考値を除き本システムで用いているセンサーは「気象庁検定」を受けており,所管の東京管区気象台(気象庁)に「自由学園南沢キャンパス屋上露場」,「自由学園南沢キャンパス地上露場」としてそれぞれ設置届出を行っている.本稿は,学内外の教育・研究用途に供することを目的に,2023(令和5)年の「年報(No. 4)」として,2023年1月1日から12月31日まで365日間の屋上露場7要素,地上露場8要素(参考値)の観測結果概要,並びに観測の方法等について取りまとめたものである.
寄稿
  • モンテッソーリと羽仁もと子
    高橋 和也
    2025 年10 巻1 号 p. 83-91
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/26
    ジャーナル フリー
  • 子どもの人権を考える
    鈴木 康平
    2025 年10 巻1 号 p. 92-101
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/26
    ジャーナル フリー
    ヤヌシュ・コルチャック(Janusz Korczak,1878年または1879 年~1942年)は、ポーランドの小児科医、児童文学作家、教育者、ホロコースト犠牲者である。1912年からユダヤ人孤児のための孤児院「ドム・シエロット」の院長になり、著作と実践の両面から児童教育に力を注ぎ、子供の権利を擁護した先駆者とされている。一方、羽仁もと子(1873 年~1957年)は、日本における女性ジャーナリストの先駆け、自由学園および婦人之友社の創立者で、女性の自立と教育、家庭生活の改善に深く貢献した。 同時期に過ごした両者について、それぞれ個別の研究はなされているものの、両者を比較する研究はこれまで行われていない。 本稿では、地域的には隔たった中で過ごした両者の間に見られる共通点を明らかにするとともに、羽仁もと子の実践が、その後の日本の子どもの人権を守る運動の源泉の一つとなっていることを示す。 2024 年3月下旬、バプテスト教会とキリスト教学校関係者と共に1週間ポーランド内を視察する「2024年平和といのちに出会う旅II」に参加した際に、孤児院「ドム・シエロット」を訪ねたことが、両者を比較する契機となった。
ニュース
feedback
Top