日本看護評価学会誌
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原著
インシデントを経験した看護職が周囲から受けた対応の実態と当事者の認識
瀬川 玲子大西 麻未武内 龍伸永田 文子
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ジャーナル 認証あり

2012 年 2 巻 1 号 p. 1-8

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抄録
目的:インシデントの当事者となった看護職が周囲から受けた対応の実態と,それらの対応の有無による当事者の認識を明らかにすることである。
方法:看護職を対象に質問紙調査を行い,過去に経験した最も重大な1例のインシデントについて,周囲の人からの対応の有無と,それを良かった/不快だった/何とも思わなかったかで尋ね,対応と認識の関連について分析した。
結果:同僚・先輩・師長からの「傾聴」「助言」等の支援的対応を多くの人が受け,好意的に認識していた。ないと不快と認識される対応は「普段通りに接する」「師長が気持ちを察知する」であった。非支援的対応は,不快さと関連があった。
結論:インシデントの当事者となった看護師が好意的に認識する対応と,不快と認識する対応が明らかになった。当事者への支援については,医療安全管理者や看護師長のみではなくスタッフレベルの看護師にも教育を行う必要性があることが示唆された。
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© 2012 日本看護評価学会
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