日本看護評価学会誌
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原著
訪問看護を利用する立場からみた訪問看護サービスに関する“経験”頻度と質評価との関連
緒方 泰子湯本 淑江佐藤 可奈橋本 廸生
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2014 年 4 巻 1 号 p. 1-11

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抄録

目的:本研究では,訪問看護ステーション(ステーション)の利用者や家族が受けている訪問看護サービスに関する“経験”頻度と彼らによる質評価の値等との関連を検討した.
方法:協力意思を示したステーション6か所を通じて利用者423人に自記式調査票を配布し,研究者宛に直接返送してもらい,229人(有効回答率54.1%)から回答があった.訪問看護の内容ごとの経験頻度や質評価の値(10点満点)を尋ね,両者の関連を検討した.
結果:利用者の平均年齢は77.7歳,女性54.1%,独居10.5%で,全回答者のうち16.2%が利用者本人,73.8%が家族によるものであった.質評価の値は平均9.1点で,訪問看護の内容ごとの経験頻度が高い方が質評価の値が有意に高かった(P<0.01).
結論:質評価の値と関連したことから,利用する立場からみた訪問看護の経験は,訪問看護の質評価に活用できる可能性がある.今後,日本の訪問看護領域において利用する立場による経験を評価する標準化されたツールの開発が望まれる.

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© 2014 日本看護評価学会
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