日本看護評価学会誌
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原著
看護師の臨床経験・部署配属年数による薬剤に関するヒヤリ・ハットの発生傾向
─日本医療機能評価機構の公表データを用いて─
秋山 直美秋山 智弥林田 賢史幸野 里寿白岩 健内藤 知佐子井上 喬太吉川 陽子
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ジャーナル 認証あり

2017 年 7 巻 1 号 p. 1-11

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抄録
 本研究の目的は日本医療機能評価機構が公表するデータを用いて,看護師の臨床経験年数と部署配属年数によるヒヤリ・ハット発生状況の特徴を明らかにすることである.2015年4月から2016年3月までの1年間の5,092事例のデータを対象とした.職種経験年数を1年未満/1年以上3年未満/3年以上5年未満/5年以上に,部署配属年数を1年未満/1年以上の名義尺度データにし,それらの組み合わせで臨床経験レベルを「新人N/A/B」,「一人前A/B」,「中堅以上A/B」の7つに分類した.本研究の結果から,新人レベルでは臨床経験年数が1年以上であれば部署配属年数による影響は見られないが,臨床経験年数が3年以上の場合は同程度の臨床経験年数であっても,部署配属年数が1年未満かそれ以上かによって,ヒヤリ・ハットの発生傾向は大きく異なることが明らかになった.部署転属1年未満の間は臨床経験年数が長い看護師であっても留意が必要である.看護師のキャリアラダーには臨床経験年数と部署配属年数を組み合わせた「臨床経験レベル」を考慮する必要がある.
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© 2017 日本看護評価学会
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