日本乳癌検診学会誌
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マンモグラフィ検診の進む方向は?
高知マンモグラフィ遠隔診断ネットワークの構築
杉本 健樹甫喜本 憲弘船越 拓花崎 和弘坪崎 英治中内 優武市 昌士松浦 喜美夫尾崎 信三
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2009 年 18 巻 1 号 p. 67-75

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抄録

本邦のデジタルマンモグラフィの大半はComputed Radiography (CR) である。一方,マンモグラフィ検診に関わる人材は全国的には増加したが,その偏在のため,特に地方では読影医が不足している。CRを含む遠隔診断ネットワークの構築はこの問題の一つの解決策である。
われわれは厚生労働省の平成18年度マンモグラフィ検診遠隔診断支援モデル事業を受け,高知大学医学部に高知検診クリニック,高知リハビリテーション,図南,仁淀および幡多けんみん病院の5施設を結ぶ「高知マンモグラフィ遠隔診断ネットワーク」を構築した。5施設のマンモグラフィはCRで,コニカミノルタPCM3,富士フィルムFCR2である。ネットワークは光ファイバーを利用し,VPN (Virtual Private Network) と暗号化でセキュリティを確保している。診断にはGE横河のSenoAdvantageとケアストリームのマンモ・ビューワを使用している。
将来は全県を網羅するためのネットワークの拡充・カンファレンス機能の追加・他地域のネットワークとの連携など,広域での人材活用ができる発展が望まれる。
CRソフトコピーはメーカーごとに特性が異なり,同一ビューワでの診断に難渋する。ソフトコピーの標準化が望まれる。また,ネットワークの維持に必要な通信費,データ保存やメンテナンス費用が高額で運営面でも課題も残っている。

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© 2009 日本乳癌検診学会
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