日本乳癌検診学会誌
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乳房超音波併用検診の精度管理
装置基準と日常の管理について
尾羽根 範員
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2012 年 21 巻 3 号 p. 222-227

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抄録

乳房超音波検査に使用している装置の使用年数と探触子について,平成22年度JABTS共催乳房超音波講習会のうち,技師対象の6回の受講者アンケートより集計した。回答者は268名,装置台数は同一施設内の複数機種を含め514台であった。装置については,10年以上前のアナログ機種が3.5%(n=18),5年以上前の機種が34.0%(175),最近5年以内のフルデジタル装置が60.7%(312)であった。探触子については,使用周波数10MHz以上のリニア型が84.8%(436),アニュラアレイ型が2.3%(12),リニア型以外のもの,または周波数が10MHz未満のものは11.5%(59)であった。多くの施設がフルデジタル装置と周波数が10MHz以上のリニア型探触子を使用していた。しかし少数ながら,古い装置や周波数の低い探触子,また周波数は高くても血管用探触子を使用しているなど,ガイドラインの装置基準を満たしていない施設があった。超音波診断装置の保守管理は,医療機器の使用者として保守管理を重視し,検査業務の一環として取り組むべきものである。保守点検項目は電源投入前後など毎日行うもの,月ごとや年ごとに行うもの,購入時に行うものなどがあるが,これらは日本超音波検査学会からの報告が参考となる。

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© 2012 日本乳癌検診学会
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