日本乳癌検診学会誌
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乳房超音波併用検診の精度管理
ファントムを用いた超音波画像劣化の評価および臨床画像の評価
桜井 正児
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2012 年 21 巻 3 号 p. 228-231

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抄録

乳房超音波検査を行う際に超音波診断装置の精度管理を行う必要がある。特に乳房超音波検診が導入される際には,検診の精度を確保するためにも重要な項目となる。われわれは毎月,日本乳腺甲状腺超音波診断会議精度管理研究班の6施設で乳房超音波装置精度管理用ファントム(京都科学)を用いた画像劣化の評価を行ってきた。常に一定の撮像条件で定期的にファントムを撮像し,はじめの画像をコントロールデータとして比較することで,臨床像ではわかり難い,画像の変化を評価することができた。今後,ファントム自体の劣化を評価し,耐用年数等を検討して,ファントムを用いた画像劣化の評価が可能か検討を続けていきたい。また,臨床画像評価の提案として,フォーカスおよび視野深度が適切である,GAIN,Dynamic Rangeが適切である,皮膚の層構造が描出できる,皮下脂肪組織のエコーレベルが適切で内部の構造が評価できる,皮下脂肪組織と乳腺のコントラストが適切である,乳腺組織の構造が詳細に評価できる,大胸筋の構造が評価できる,等の項目が挙げられる。今後,評価項目および評価方法に関して検討していきたい。

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© 2012 日本乳癌検診学会
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