日本乳癌検診学会誌
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特別寄稿
マンモグラフィと超音波検査の併用検診における総合判定基準
―JABTS乳癌検診研究班からの報告―
大貫 幸二角田 博子東野 英利子飯郷 宇多子遠藤 登喜子大岩 幹直尾羽根 範員加奥 節子梶原 崇恵加藤 正仁河合 賢朗河内 伸江栗田 武彰久留島 幸路桑島 章斉藤 シズ子佐久間 浩鈴木 咲子恒川 美香子中島 一毅中谷 守一橋本 秀行林 幸子坂 佳奈子藤本 泰久森久保 寛安田 秀光山田 穣渡辺 隆紀渡邉 朋子和田 博司
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2012 年 21 巻 3 号 p. 273-279

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抄録

マンモグラフィ検診に超音波検査を併用する際に,それぞれの検査で要精検者を決定すると感度は上昇するが,特異度は低下する。特異度を上昇させるための方法として,日本乳腺甲状腺超音波診断会議乳癌検診研究班では総合判定基準を作成した。要点は以下のとおりである。1)マンモグラフィ所見を参照しながら超音波検査を行うことを推奨する。2)マンモグラフィ上の高濃度部分は注意して超音波検査を行う。3)マンモグラフィ上に境界明瞭平滑な腫瘤があり,超音波検査で明らかな良性病変(単純嚢胞など)であることが確認できれば要精密検査としない。4)マンモグラフィ上に局所的非対称性陰影が認められるが,超音波検査で正常乳腺であることが確認できれば要精密検査としない。特に若年者ないしは高濃度乳房において,本判定基準を適切に運用することによって,マンモグラフィ単独検診に比べてより有効性が高く,かつ不利益の小さい乳癌検診を行うことが可能である。

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© 2012 日本乳癌検診学会
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