日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
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原著
DVDを媒体とした検診マンモグラフィのモニタ診断方式
―高崎市乳がん検診のフィルムレス化への取り組み―
鯉淵 幸生石井 千恵子藤川 香織井上 恵里香森田 英樹水内 整石田 常博小田原 宏樹上原 宏藤田 克也有賀 長規
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2012 年 21 巻 3 号 p. 285-290

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抄録

マンモグラフィ(MG)はフィルムレス・モニタ診断への転換が進んでいる。乳癌検診においてもその対応に迫られているが,遠隔画像診断方式で行おうとした場合,ネットワークシステムの構築や,検診結果情報の一元管理には,金銭面,個人情報,セキュリティなど,さまざまな問題点がある。それらの問題点を解決するための方法として,各施設のデータをDVDにダウンロードし,移送して1カ所に集荷することを考案した。この,新しいMGフィルムレス・モニタ診断方式を紹介する。高崎市では以前から,市内の11施設でMGを撮影し,中央に集荷して1カ所に集中させ,少人数の読影委員で読影する方式をとってきた。新システムは,MGのフィルムの代わりに11施設のDICOMデータをDVDにダウンロードし,検診センターに集めサーバに保存する方式とした。この際,受診者の検診ID番号を作成し,過去画像比較が容易にできるように考慮した。当然,施設ごとに画像処理装置が異なり,DICOMデータの読み込みは苦労したが,ベンダーである富士フイルム社の努力でそれも克服できた。平成23年度から高崎市で開始したこの中央集荷型フィルムレス読影システムは,費用負担の軽減やセキュリティ面などを考慮した新方式になりうると考える。

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© 2012 日本乳癌検診学会
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