日本乳癌検診学会誌
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Print ISSN : 0918-0729
特別報告
乳がん発症ハイリスクグループに対する乳房MRIスクリーニングに関するガイドライン ver. 1. 2
中島 康雄奥田 逸子戸崎 光宏磯本 一郎門澤 秀一田渕 隆印牧 義英丸山 克也中村 清吾
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22 巻 (2013) 2 号 p. 155-176

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抄録

乳房MRI検査が乳がん発見に対して有用であることが認知されてきた今日,諸外国では乳がん発症ハイリスク女性に対するMRIを用いた乳がんスクリーニングが行われはじめた。一方,わが国では乳がん発症ハイリスク女性の認識および適切な撮像法,読影法が十分確立していないことから,乳がん検診にMRIを用いることは推奨されていない。本委員会は諸外国の状況,医学的エビデンスの収集を行い,現時点での乳がんスクリーニングに対する乳房MRIに関する考え方と位置づけ,さらに乳房MRIをスクリーニング手法として用いる場合に必要な要件をガイドラインの形でまとめることとなった。 日本乳癌検診学会乳癌MRI 検診検討委員会は実際のガイドラインを公表するに先だって,乳がんスクリーニングに対する乳房MRI検査の基本的考え方について,会員の先生方に報告する。1. 乳がんのスクリーニングに乳房MRI検査を行うのは乳がん罹患のハイリスクグループに限られるため,任意型検診として行われる。2. 乳房MRI検査を対策型検診として用いることは推奨されない。その理由として,医療経済的な根拠がない,一般対象群において有効性を示す根拠がない,陽性者に対する対応基準,偽陽性に対するその後の対策が検討されていない等が挙げられる。3. 乳房MRI検査で陽性所見が得られたときには,組織生検など,より侵襲度の高い精査を行うことが説明されていることが必要である。4. 乳房MRI検査を実施することが決まれば,現時点で,最も診断精度の高い手法を用いて精度の高い読影が行われる体制が組まれていることが必要である。 なお,誤解を避けるために,乳がんMRI検診のタイトルは用いず,乳がん発症ハイリスク女性に対する乳房MRIスクリーニングガイドラインのタイトルを用いることとした。 以上の基本的合意の上で,ガイドラインを参照いただければ幸いである。

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© 2013 日本乳癌検診学会
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