日本乳癌検診学会誌
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我が国の乳癌検診ガイドラインを検証する:欧米との比較
臨床現場から見た乳がん検診ガイドラインの利点・欠点
玉城 研太朗
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2014 年 23 巻 1 号 p. 37-40

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抄録
本研究ではマンモグラフィ有所見症例13,418例を対象に,腫瘤,石灰化,局所非対称性陰影(focal asymmetric density: FAD)の有病率および統計学的根拠に基づいたマンモグラフィカテゴリー再分類に関する研究を行った。結果は,spiculated mass (98.7%)およびpleomorphic segmental calcification (89.5%)が有病率を背景とした場合,悪性を強く疑う所見であった。加えて統計学的検討においてはpleomorphic segmental, non-circumscribed/non-spiculated mass, pleomorphic grouped, FAD with distortion とamorphous segmentalが統計学的に悪性を強く疑う所見であった。本研究の結果で,悪性を強く疑う所見を予測することができるが,しかしながら本研究は2施設の限られた設備,放射線技師,医師によって行われた研究であるという限界がある。科学的根拠に基づいたガイドラインの作成のために全国規模の質の高い臨床試験を立案することが重要であると考えられた。
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© 2014 日本乳癌検診学会
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