日本乳癌検診学会誌
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我が国の乳癌検診ガイドラインを検証する:欧米との比較
マンモグラフィと超音波検査の総合判定マニュアル
大貫 幸二東野 英利子植松 孝悦阿部 聡子大岩 幹直岡南 裕子加藤 直人鯨岡 結賀野間 翠坂 佳奈子広利 浩一箕畑 順也宮城 由美
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2014 年 23 巻 1 号 p. 33-36

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抄録
マンモグラフィと超音波検査の併用検診におけるシステムは,一施設方式と二施設方式,同時併用方式と分離併用方式,独立判定方式と総合判定方式に分けることができる。施設検診でも出張検診でも,検査精度や受診者の利便性からは一施設・同時併用・総合判定方式が推奨されるが,地域や施設の事情によっては他の方式を選択しなければならない場合も考えられる。精度の高い同時併用検診が行われるためには,超音波検査を行う者の,1)マンモグラフィの読影力,2)マンモグラフィ上の病変に対する部位の推定,3)超音波検査の質的診断能力,が求められる。1)は放射線技師の読影コメント,2)は総合判定マニュアルで詳細を解説予定,3)は注目した部分を動画で残すことによって,その能力を補うことが可能である。総合判定において,マンモグラフィの第一読影,第二読影,最終判定については超音波検査を参照せずに行うと,マンモグラフィ単独検診と併用検診の比較が可能となり,総合判定の有用性を検証することができる。分離併用方式であれば,超音波判定もマンモグラフィを参照せずに行うと,それぞれの単独検診の結果との比較が可能となる。総合判定においても,マンモグラフィ検診と同様に五段階のカテゴリー分類を用い,カテゴリー3以上を要精密検査とする。
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© 2014 日本乳癌検診学会
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