日本乳癌検診学会誌
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乳がん検診の新たなモダリティ展開
携帯型乳がんチェッカーの実用化を目指して
春田 峰雪福田 達尾股 定夫
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2014 年 23 巻 2 号 p. 291-295

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抄録

今日,わが国においても乳がんの罹患者は増加傾向にあるが,欧米では日本の5倍から10倍ときわめて深刻な問題となっている。また,このような乳がん患者の増加は後進国でも急速な対応が求められている。そこで,乳がんの最適治療には早期発見が重要であることから,マンモグラフィやPETなどさまざまな先端医療診断装置が使用されているが,世界中の女性から乳がんなどのシコリを簡便に,しかも家庭でも容易にチェックできるようなパーソナルユース型の乳がんチェッカーが待望されている。本研究室においても乳がんのシコリを触診と同様な特性として硬さをイメージングする乳がん触診プローブの試作開発を行い,予備的な実験に成功した。この触診プローブは超音波素子を「位相シフト法」による原理で駆動する装置で,触診の特性を弾性イメージングできる特徴をもつので,シコリの硬さをヤング率として画像化できる。しかし,この装置は手軽に使用するには高価であることから,家庭でも容易に使用できる乳がんチェッカーとして,光デバイスを利用した新しいパーソナルユース型乳がんチェッカーの試作開発を行い,動物実験によるモデル実験レベルまで達したので,これまでの研究成果を報告したい。

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© 2014 日本乳癌検診学会
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