日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
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“受けてよかった乳がん検診”にするための工夫
乳がん検診受診率向上のための工夫
野田 尚子麻生 由美坂 佳奈子 小野 良樹
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2016 年 25 巻 1 号 p. 6-8

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抄録

当施設では乳がん検診と乳腺外来の両部門を併設している。検診と診察の両部門を備えているメリットを充分に活かすため,平成25年4月から始まった建物の改修工事に伴って工夫した点について報告する。以前の外来においては,受付から検査,診察,結果説明まで受診者は3フロアを移動。そのため衣服の着脱も3回必要であった。また,検診でも2フロアの移動を必要とする場合があった。それらを改善するため,1フロアですべての検査と診察を実施できる女性検診センターと乳腺外来および婦人科外来が併設された女性専用フロアを開設した。乳腺外来では検査当日,画像診断に加え細胞診・針生検の実施により,最短1週間で組織の診断をつけて病院紹介が可能となった。さらに外来と検診のID が異なる場合においても画像を比較読影できるように受診者カード(ピンクリボンカード)の配布などの工夫も行った。その結果,検診受診者数および当施設での精検受診率の増加が認められた。スタッフも女性専用フロアでの勤務に伴いピンクリボンアドバイザーの認定を取得し,専門知識を持って受診者に対応することも可能となった。今後もさらなる受診率向上のため検討と工夫を重ねていきたい。

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