日本乳癌検診学会誌
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地域での人材育成
東京都立病院における診療放射線技師のマンモグラフィに関する人財育成の取り組みについて
小林 剛
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2017 年 26 巻 2 号 p. 159-164

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抄録
東京都立病院では2007年に放射線科技師長会教育研修員会を設置して診療放射線技師の人財育成・能力開発に取り組んできた。5カ年計画プログラムが終了したことを受け,2014年新たに人財育成専門性向上委員会が設置された。モダリティ別に7専門部会があり,そのひとつとしてマンモグラフィ部会が設置されている。総技師数195名で構成され,マンモ部会は18名で活動している。技師長会より相談役が配置されるが,活動の中心は係長級が行っている。 マンモグラフィ部会の年間活動は,マンモグラム読影研修会,精度管理勉強会,病院経営本部専門性向上研修が3つの柱となる。読影研修会はマンモグラムを中心とした症例検討会に研修生が参集する。人財育成専門性向上委員会の中で唯一服務として認められている部会活動である。精度管理勉強会は年2~3回各病院持ち回りで,精度管理の実習を行っている。病院経営本部専門性向上研修は東京都保健医療公社職員も含めた研修となり,プログラム作成を担当している。これらの活動を通して,専門性の向上を目指し,人財育成に取り組んでいる。 課題としては,病院の特色上マンモグラフィを行っていない施設がある。また人事異動が5~6年で行われるため,エキスパートを育成しても職務上それを活かせない状況が存在する。部会活動はこれらの問題点を解消する手段と成り得るため,人財育成とともに能力維持や情報発信も重要な役目となる。
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