日本乳癌検診学会誌
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第29回学術総会/パネルディスカッション1
乳癌ハイリスクグループに対する乳房超音波検査・マンモグラフィ検査の位置づけ
竹井 淳子角田 博子
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2020 年 29 巻 1 号 p. 9-14

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抄録

これまでに,乳癌ハイリスクグループに対するcontrast enhanced magnetic resonance imaging(MRI),mammography(MG),ultrasonography(US)のtriple―modality screening について数多く比較検討され,MRI は感度・特異度ともにMG・US より高く,診断に優れているのは明らかである。MRIにMG を併用するメリットとして,感度向上の傾向があるといわれている。特にBRCA2 変異保持者において,MRI で検出できない乳癌を発見できる可能性がある。 また,一般のMG 検診としてデジタル乳房トモシンセシス(digital breast tomosynthesis: DBT)を追加することは,MG の特異度を改善しスクリーニング感度も上昇するが,死亡率減少効果は証明されていない。2次元画像とDBT を併用することは,放射線被ばく量はMG 単独の2倍になる。NCCN(National Comprehensive Cancer Network)ガイドラインでは,乳癌ハイリスクに対するサーベイランス方法としてDBT の併用を推奨しているが,スクリーニングの精度に差がないとの報告もある。被ばくの影響も鑑み,利益・不利益のバランスを考え,DBT の使用については慎重な対応が必要である。特に,30歳未満のBRCA 遺伝子変異を有する患者においては,診断用の放射線曝露が多かった場合,約2倍の乳癌発症リスクの増加を認めると報告されている。 当院における遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の乳癌既発症者では,MG でカテゴリー1だった症例は約20%だが,MG の所見があったBRCA2 変異保有者では,46.7%が石灰化病変と多かった。US についてのエビデンスは乏しく,費用対効果を含めた有用性については今後の課題である。

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