日本乳癌検診学会誌
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秋田県における乳がん検診の現状と今後の課題
鎌田 収一工藤 保西成 忍菅 一徳村田 純治小玉 雅志佐志 隆士大山 則昭片寄 喜久
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2006 年 15 巻 1 号 p. 106-112

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抄録

平成12年3月, 老健第65号の一部改訂でマンモグラフィ併用検診の指針が示されたにもかかわらず, 秋田県における乳がん検診は, 平成15年度までは視触診方式が大部分で, マンモグラフィ併用検診は5市町村のみであった。そのため乳がん発見率は0.08%と低く, 早急な改善を迫られていた。秋田県乳がん検診委員会は, 平成13年度から3年連続でマンモグラフィ読影講習会を開き, また行政にも働きかけた結果, 平成15年度にMMG撮影機器を搭載した検診車を2台購入した。そして平成16年度から本格的にマンモグラフィ併用検診を開始し, 29市町村がマンモグラフィ併用検診を導入した。平成17年度はさらに検診車を2台購入し, 全市町村で併用検診を行うことを目標にしている。現在, 自動現像器が車載できない状況であり, 分離併用A検診を行っているが, 平成17年度から一部でCRを用いた同時併用A検診を考えている。また秋田県の検診受診率は約24%であり, 他県と比べ受診率は低くはないが, さらなる受診率の向上を目指し, 各市町村の乳がん検診担当者に検診の問題点に関するアンケートを依頼した。そのアンケートの結果は, 乳がん検診の受診率の向上のためには検診が有効であることを積極的に啓発することが重要であり, また受診者は検診時間の工夫やプライバシーの保護, 待ち時間の短縮といったきめこまかな配慮を望んでいた。

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