中部消費者教育論集
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体験型消費者教育イベントとしてのしくみの構築
―キッズタウン KYOYAMA2017 の事例から―
小田 奈緒美東 珠実
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2018 年 14 巻 p. 47-58

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抄録
筆者らは,これまでドイツで始められた“ミニ・ミュンヘン”を模して,日本各地で実施されている子どもたちによるまちづくりの取組“こどものまち”に着目し,消費者教育として有効な場面が多いことを明らかにしてきた。本研究は,岡山市にて体験型消費者教育イベントモデルとして「キッズタウンKYOYAMA2017」を開催し,開催の状況とその特徴を経済システムおよび市民生活システムから明らかにする。分析の結果,「キッズタウンKYOYAMA2017」は,小学校3年生から6年生を対象としたイベントであり,事前に2回,イベントの事後に1回の「子ども会議」を実施し,3回パッケージとして開催できる普及モデルとしてその仕組みを構築した。また,人と活動のしくみを分析すると,行政・大学・企業が協働して実行委員会を構成し,役割分担をすることで,イベントの運営がしやすくなることが明らかとなった。さらに,事前準備と当日運営のそれぞれに子どもたちが生産者,小売業者,消費者等を体験する「経済システム」と,市長選挙や市民総会,公共サービス等に関する「市民生活システム」の特徴を把握することができた。また,これらの活動において,子どもたちをサポートするボランティアの存在が欠かせないこと等が明らかとなった。
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© 2018 日本消費者教育学会中部支部
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