抄録
本論文では,中学校技術・家庭科家庭分野における「消費生活と身近な環境」の指導について,令和3年度に完全実施となった学習指導要領を見据え,資源・保全に係る資質・能力の育成に重きを置いた3カ年の学習プログラムを作成するとともに,平成27年度から平成29年度にかけてその授業実践をおこなった。一連の実践において,課題に向き合う姿勢等「関心・意欲・態度」の項に関する観点別評価等から学びの成果と課題に注目した結果,大部分の生徒が意欲的に課題に向き合うことができているということ,取組を通して得たこと・気づいたことは多岐にわたるということ,資源保全に関わる資質・能力を育むためには,個々の気づきを共有させる場を設けること,これまでの学びについての効果的な振り返りの場が必要であることが明らかとなった。