抄録
本論文は,地域の特性に応じた学校教育での消費者教育の実現について,外部講師と学校をつなぐ消 費者教育コーディネーターの役割に着目して検討している。家庭科教員と社会科教員のアンケート及び 国民生活センターでのコーディネーター育成研修などから,消費者教育コーディネーターについてその 役割を担い手と育成の側面から考察した。学校教育での協働による消費者教育は,外部講師の教育現場 での実践が注目されがちであるが,授業内容を決める段階での消費者教育コーディネーターの役割が大 きいことを指摘した。消費者教育コーディネーターには,そのことを理解したうえで協働による消費者 教育を推進することが求められることが明らかとなった。