Japanese Journal of Acute Care Surgery
Online ISSN : 2436-102X
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ER型救急におけるハイブリッドERシステム導入の経緯とその意義
北川 喜己萩原 康友小川 健一朗水谷 文俊船曵 知弘
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2022 年 12 巻 1 号 p. 133-139

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抄録
〔要旨〕名古屋掖済会病院は1978年に東海地区初の救命救急センターを設置し,受診患者の増加を受けて2006年に新救命救急センターを竣工した。竣工後に課題となっていた救命救急センター外来(ER)における部屋移動,搬送や移し替えに要する時間のロスと患者負担を解決するため,ERの中心部分にある放射線部門のCT室と血管造影室を合体させ,2ルーム型のハイブリッドER(IVR-CT)システムを設置することとした。2020年9月より工事を開始し,約3カ月の工程を経て同12月より稼働し,患者の移動なく診察,CT撮影,IVR(interventional radiology),手術を実施できるようになった。ハイブリッドERシステムは,重症外傷や脳梗塞,CPA(cardiopulmonary arrest,心肺停止)治療はもとより整形外科疾患をはじめ透視とCT検査を併用する多くの救急疾患の診断治療に有用であり,今後はER型救急施設への普及が望まれる。
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© 2022 日本Acute Care Surgery 学会
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