1957 年 1 巻 4 号 p. 254-258
1) ウシの体に寄生しているウシオマダニの雌成ダニに対し,滴下法で殺虫剤の効力を比較する方法を試みた。
2) 急速発育期のダニ個体群の半数を発育阻害により脱落せしめるための作用量は,1匹あたりγ-BHC, 2.05μg, allethrin 68.5μg, pp'-DDT, 385μgであった。α-BHCは1mgでもまったく発育に影響を与えなかった。
3) 寄生ダニの発育阻害量,および摘除個体に対する48時間致死量からみたγ-BHCに対する抵抗性は飽血に伴ない急激に増加し,飽血時には未吸血個体の約106倍にもなる。この変化に対し,表皮の厚さの成長や,変化は関係があるど思われない。