日本応用動物昆虫学会誌
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ミカンナガタマムシの生態に関する研究
第1報 成虫の発生時期について
大串 竜一
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1966 年 10 巻 2 号 p. 55-63

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抄録

1. ミカンナガタマムシの季節的羽化消長については,従来,初夏と秋にピークを持つ2山型であるといわれているが,多くの資料から帰納したところでは,これは必らずしも一般的傾向とは云いにくい。
2. 一般的傾向としてみとめられるのは,5月上・中旬より羽化しはじめて,6∼7月にピークに達する発生型であって,その後8∼10月にみられる羽化の山は年度や地域によって出ないばあいも多い。
3. ミカンナガタマムシは主として晴天の日中に羽化するが,季節的にみたばあいの羽化消長は,天候にはあまり左右されないようである。
4. ミカンナガタマムシの性比はほとんど1:1であって,その雌雄の羽化消長はほとんど同じ傾向を示す。

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