日本応用動物昆虫学会誌
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10 巻, 2 号
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  • 第1報 成虫の発生時期について
    大串 竜一
    1966 年 10 巻 2 号 p. 55-63
    発行日: 1966/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1. ミカンナガタマムシの季節的羽化消長については,従来,初夏と秋にピークを持つ2山型であるといわれているが,多くの資料から帰納したところでは,これは必らずしも一般的傾向とは云いにくい。
    2. 一般的傾向としてみとめられるのは,5月上・中旬より羽化しはじめて,6∼7月にピークに達する発生型であって,その後8∼10月にみられる羽化の山は年度や地域によって出ないばあいも多い。
    3. ミカンナガタマムシは主として晴天の日中に羽化するが,季節的にみたばあいの羽化消長は,天候にはあまり左右されないようである。
    4. ミカンナガタマムシの性比はほとんど1:1であって,その雌雄の羽化消長はほとんど同じ傾向を示す。
  • 石井 卓爾
    1966 年 10 巻 2 号 p. 64-68
    発行日: 1966/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    (1) 従来ヒメトビウンカ成虫の眼色は黒色とされているが,1962年10月,札幌市琴似町にある北海道農業試験場の圃場において採集した黒眼個体を同系交配により増殖中,F2世代において未記録の赤眼(orange)個体を発見した。
    (2) 実験の結果,この赤眼はメンデル式1遺伝子劣性形質の遺伝をすることがわかった。
    (3) 黒眼,赤眼両系統の生態に関する比較を行なったところ,羽化成虫の性比,産卵粒数,産卵期間については両系統の間に多少の差が認められたが,産卵前期間,ふ化率,幼虫期の死亡率,幼虫の発育速度,羽化成虫の長翅型雌の出現率,飼料の取り替え間隔と長翅型雌の出現率との関係,休眠現象,ムギ北地モザイク病ウイルスの獲得と媒介能力については両系統の間に殆んど差が認められなかった。
    (4) 野外においては未だ赤眼個体が発見されていないことと,赤眼系統が黒眼系統と生態上大きな差がないことから,今後ウイルスの媒介と本種の生態との関連の研究にこの赤眼系統を標識として利用し得ることが考えられる。
  • II 1掃立口(1仕切)の数量と蟻蚕罹病率との関係(微粒子病伝染様式)補足
    大島 格, 藤原 公, 広瀬 安春, 樺沢 ヨウ, 沢田 紀一
    1966 年 10 巻 2 号 p. 69-77
    発行日: 1966/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    When the number of a lot containing a few diseased larvae was limited to 20, 000, the following facts were revealed: The infectivity of pébrine of a lot of newly hatched larvae containing 0.5% composed of the lightly diseased and the heavily diseased was exceedingly inferior to that of the larvae containg 0.05% of the lightly diseased. Expressing the infectivity by multiplication power, it became 73.5 times in the former, while 1, 117.6 times in the latter in the moth stages. The infectivity of heavily diseased larvae is very low. The multiplication power of the disease by 6 infected larvae mixed in a lot at 3rd day of 2nd instar was only 5.7 times in the moth stage, being 0.25%. The results above are common phenomena of silkworm reared in both seasons, spring and summer. These results sugget that the difference of increment of the number of diseased moths of a lot may be derived from the following two factors: 1. Hereditarily, lightly diseased larvae can live long and repeatedly attack healthy larvae, however, when their number are few, the chance of attacking the same larvae may be few, thus increasing the number of diseased larvae during the periods of 4th and 5th instars which are the source producing diseased moths (1966), but when their number are numerous, the reversed phenomenon may be probable by the repeat infection against the same larvae, thus decreasing the diseased moths. 2. Heavily diseased larvae: Early death and very few repeat infection. It is also suggested that the optimum number of lightly diseased larvae which produce the maximum percentage of infected moths may exist at the beginning of hatching.
  • 阿部 永
    1966 年 10 巻 2 号 p. 78-83
    発行日: 1966/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    種々の植生環境をもつ北海道内の15ヵ所において,はじきわなによる採集を行ない,4種類の野ネズミを採集した。すなわちエゾヤチネズミ277,ミカドネズミ10,ヒメネズミ224,エゾアカネズミ51(第1表)。
    ネズミの捕獲された各地点を,その周囲の環境を次の3事項について記録した。すなわち被度,密度,および落葉層の厚さの各事項について大中小という3段階の判定を行なった(第2表)。この方法によって4種のネズミの生息環境について分析を行ない次のような結果を得た。
    エゾヤチネズミは草原的景観をもつ環境において最もおおく,被度,密度および落葉層の厚さの大きいところを最も好適な生息場所とする。しかし喬木林における場合のように地表での植生密度が小さくなるにしたがって,あるいは落葉層がうすくなるにしたがって生息数も少なくなる。
    ミカドネズミは喬木林,灌木林等の中でやはり被度,密度および落葉層の厚さの大きいところにすむが,生息数は非常に少ない。
    ヒメネズミは森林的景観をもつ植生において最も多く,低木層の被度,落葉層の厚さ等にはあまり影響されないが,密度に関してはそれの小さい部分に集まる傾向がある。一方エゾヤチネズミとは逆で,草原的植生に移るにしたがい生息数は少なくなる。
    エゾアカネズミも一般に生息数は多くなく,その生息場所の植生の種類には特別な傾向がみられない。しかし,生息場所の構造的な面では,ヤチネズミ類のそれとヒメネズミのそれの中間にあり,やや前者に近い傾向を示す。
    この研究をすすめるにあたって,種々ご指導をいただいた犬飼哲夫北大名誉教授をはじめ太田嘉四夫講師,帯広畜大芳賀良一教授に対し深く感謝の意を表する。
  • 第2報 母兎の妊娠期間と仔兎の成長について
    大津 正英
    1966 年 10 巻 2 号 p. 84-88
    発行日: 1966/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1963年5月から1965年9月までトウホクノウサギを野外で採集するとともに,飼育実験を行ない妊娠期間と出生後の成長について調査した。妊娠例数は12,出生後の成長調査頭数は90であり,調査結果はつぎのとおりである。
    1. 出産例数は12であり,その中8例について交尾から出産までの日数を知ることができた。その日数は42∼44日であり,満42日と推定されカイウサギに比べかなり長い。
    2. 本種は交尾の刺激によって排卵が起こるものと繁殖実験より推察される。
    3. 本種の出生後の成長経過はつぎのとおりである。体長および体重:体長は生後約200日,体重は約260日成長を続け,それぞれ約49cm,約2,600gとなりそれ以後はほぼ一定となる(第1図)。耳長および後足長:耳長は体重約2,300g後足長は体重約2,100g程度まで成長を続け,それぞれ約8cm,約15cmとなりそれ以後は一定した値を示す(第2図)。頭骨長および頭骨幅:それぞれ体重約2,300g,約1,800g程度まで成長を続け,約9.2cm,約4.5cmとなりそれ以後はほぼ一定した値を示す(第3図)。
  • 多食性捕食虫とその食餌動物の相互関係の一例
    奥 俊夫, 小林 尚
    1966 年 10 巻 2 号 p. 89-94
    発行日: 1966/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1. 1963, 1964両年に盛岡市の大豆畑で,Orius sp.は7種以上の節足動物を捕食し,中でもアブラムシ類,ハダニ類,次いでアザミウマ類を多く捕食した。
    2. Orius sp.の成虫は7月中旬から圃場に現われ,8月下旬∼9月上旬に最盛期に達し,大豆の成長完了後しだいに減少した。
    3. Orius sp.のダイズアブラに対する捕食効果はハダニ類が多発すると低下し,そのためハダニ類が早期に多発するとダイズアブラは高密度を保ち,ハダニ類の発生が遅れるとダイズアブラの密度はOrius sp.の捕食によりハダニ類が多発するまで抑圧された。
    4. ジャガイモヒゲナガアブラは,ダイズアブラ又はハダニ類より密度が低く経過し,寄生状態もより分散的であるため,Orius sp.によって集中的に捕食をうけることがなく,秋期にゆるやかに増殖する傾向があった。
  • 山下 優勝
    1966 年 10 巻 2 号 p. 95-96
    発行日: 1966/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 長沢 純夫, 中山 勇, 清水 春子
    1966 年 10 巻 2 号 p. 96-99
    発行日: 1966/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 立川 哲三郎
    1966 年 10 巻 2 号 p. 99
    発行日: 1966/06/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
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